Kaneshiro Diabetes Clinic

糖尿病・生活習慣病の専門内科
かねしろ内科クリニック

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Kaneshiro column 院長コラム

シリーズ・ザ・生活習慣病

理事長の金城が、最近のできごとや今ホットな話題とともに、みなさまの健康にちょっと役立つ情報をお届けします。

シリーズ生活習慣病 第17弾!

HbA1cと動脈硬化

糖尿病を持つ患者さんが、毎月検査している『HbA1c』。
『ヘモグロビン・エー・ワン・シー』と、読みます。
また、施設によっては『グリコヘモグロビン』という場合もあります。

長い名前なので、『エーワンシー』と、略していうこともあります。

昔は、「HbA1c7.0%未満ならOK」と、いう時代がありましたが、
現在は、6.5%以上は合併症が起こりやすいことが判ってきましたので、
最低でも6.5%以下、出来るだけ正常域の5.8%未満までは、必ず治療
及びコントロールをする必要があります。

さらに、数年前から、「HbA1c5.5%以上で(糖尿病による)動脈硬化は進む」
と、判ってきました!

HbA1c5.5未満で一安心、そして5.0%未満で(通院生活)卒業!と、
かねしろ内科では、1人でも多く卒業していただけるよう、
患者さんとともに、スタッフ一丸となって頑張っております。

これに加え、今年の春(2007年4月)より、『動脈硬化の評価検査』を、
1日1人ずつ患者さんに受けていただいています。
これは、頭部MRIまたは脳血管(CT)造影、頚動脈エコー、脈波伝播速度(PWV)などの検査を行い、
動脈硬化がおこっていないか、どのくらい進んでいるのかなどを調べるものです。

すでに150人が検査を終え、
そのうち、「完全にきれいな血管」だった糖尿病患者さんはたったの5人!でした。
HbA1cが5%台の優秀な患者さんですら、この動脈硬化が見つかるのです。

ここが糖尿病の恐ろしいところで、血糖値が正常域より高い状態が続いていたために
動脈硬化がどんどん進んでしまうのです。

糖尿病の治療を放置すれば、必ず心筋梗塞・脳梗塞につながることから、
動脈硬化がわかり次第、血管改善の治療も併せてスタート致します。

「なんとか元気に長生きを。」
これが、かねしろ内科クリニックのスタッフ全員の願いであり、目標なのです。

一緒に頑張っていきましょうね。

シリーズ生活習慣病 第16弾!

糖尿病のお薬(その3)

3.オイグルコン・ダオニール/グリミクロン/アマリール

我々は、食事をすると徐々に血糖値が上昇しはじめ、30分後にピークを迎えます。

それを、『インスリン』という、膵臓から出てくるホルモンが分泌されることによって、
血糖値を下げ、正常範囲内に保っています。
つまり、血糖値があがり過ぎないように調節するのが、このインスリンの役目です。

ところが、このインスリンの分泌能力(出る力)が低下したり、
効きが悪い状態になると、インスリンの必要量が不足し、
血糖値は高くなってしまいます。

今回ご紹介する糖尿病のお薬は、
糖尿病の薬のなかでもっとも有名な、SU(エス・ユー)薬というジャンルで、
膵臓に対して、「インスリン出ろ~」と、命令してくれるのです。

しかし、
〔食べない/食べてもいつもよりカロリーが少ない〕時には、
必要以上のインスリン量が出てしまい、血糖が下がりすぎる場合もあります。
これを、『低血糖発作』と、いいます。

よって、これらの薬を飲むときは、

・ 食べない → 薬を飲まない

・ 食べてもいつもよりカロリーが少ない → 薬の量を減らす

などの、調節することが必要になります。

また、運動量が増えたときも、前もって薬の量を減らしておかないと、
低血糖を起こす場合がありますので、この薬を飲みはじめる・飲んでいる方は、
主治医や専門医とよく相談しましょう。

当院を受診される患者さんも、春や秋はよく運動し、血糖コントロールがとても良い季節でしたが、
夏は梅雨と太陽が、冬は寒さと年末年始の宴会が敵となり、血糖コントロールが悪くなって
しまう方もいます。

逆に、この季節も元気に運動された方は、とても良い状態となっていますので、
是非とも室内や外でも過ごしやすい時間帯を選んでこまめに運動してくださいね。

きっとお薬が減らせますよ!

シリーズ生活習慣病 第15弾!

糖尿病のお薬(その2)

2.グリコラン/メルビン

今回ご紹介するのは、特に肥満のある糖尿病の方に効果的なお薬です。

我々が食事をすると、まず肝臓にエネルギーが貯められ、いずれジワジワと
糖として血液の中に放出されます。

この放出を抑えてくれながら、前回のお薬のようにインスリンの効きを良くする
作用も少し合わせ持っている、しかもお薬代も安いスグレモノです。
副作用も少なく、(低血糖もほとんど起こらず)やさしく、でも確実に効きます。

とはいうものの、年配の方や腎臓が弱くなりはじめている方は、知らぬ間に
腎臓に負担がかかっている場合があるので要注意です。
しっかりと、専門の先生に腎機能の検査をしてもらいながら内服しましょう。

かねしろ内科クリニックでは、春と秋に、運動療法を行い、
患者さんに運動の楽しさと効果を体験していただいております。

ウォーキングの途中で、多くの患者さん(稀に車に乗った患者さん(笑))と
すれ違います。
「みんな頑張っているなぁ。」と、スタッフ一同ウキウキするものです。
運動すればインスリンの効きが良くなるだけでなく、
筋力維持、脂肪燃焼、気分爽快!などと、良いことずくめです。

でも、「動いたから、お腹がすいちゃって・・・。」と、おやつをパクパク食べると
血糖値も体重も、上がってしまいますよ!
ご注意を!!(笑)

運動と食事を頑張れば、きっとお薬は減らせますよ!

シリーズ生活習慣病 第14弾!

糖尿病のお薬(その1)

前回の、「身内に糖尿病の方がいると、自分ももしかして・・・」
と、いう内容をご覧になった方が多数来院され、
1人を除くすべての方が糖尿病およびその予備軍ということがわかり、
「来て良かった。」との声をいただきました。

さて、来院される方の中には、すでにお薬を飲まれている患者さんも多く、
たまにですが、ビックリするような薬の飲み方をされているかたがいらっしゃいます。
血糖値が下がらないため、いっぱい薬を飲んでいると、
血糖値が下がり過ぎる・・・くらいで済めばよいのですが(これも大変困るのですが)、
中には副作用が出ていて、「即!内服中止!!」
と、なるケースがあります。

そこで、病院で医師が処方している薬を少し紹介しますね(市販薬ではありませんよ)。

1.アクトス

筋肉や脂肪でのインスリンの働きを良くし、
インスリンが血糖を下げる働きを強くするという
とてもよいお薬で、ほぼ全員に効きます。

血管をよみがえらせる作用も併せもっているという研究もあり、
低血糖も起こしにくく、とても良い点が多いのですが、
副作用として、’むくみ’が出る場合があります。

そこで、患者さん御自身で、毎日’むくみ’がないかのチェックを、お願いしています。

もし、’むくみ’が出てきた場合は、報告していただき、他の薬を考えます。
このように、医師と患者さんとの連係プレーが必要なお薬です。

このことを御存じなく、’むくみ’が出たまま飲んで方もいらっしゃいます。
また、女性なのに、男性と同じ量まで増量して飲んでいることもあります。

高度なお薬ほど、慎重に処方し、飲んでいただかなければなりませんので、
主治医や薬剤師さんと、よくお話をしましょう。

薬の飲み方、(飲み忘れた場合も含めて)、薬のはたらき、注意点などを
御自身でもよく知っておきましょう!

さらに、管理栄養士さんともお話しし、食事や運動をしっかり行えば、
きっとお薬は減らせますよ!!

シリーズ生活習慣病 第13弾!

多くの患者さまを診察しておりますと、
付き添っていらっしゃるご家族の方にもお会いすることがたびたびあります。

そして、そのご家族も実は…と、いうケースもたびたびあります。

先日も、「ところで娘さんは糖尿病の検査はされていますか?」の、問いかけに、
「先生、私は大丈夫。元気、元気。」
「私も検査?いやぁ糖尿病って言われたら怖いから私はいいです。」

と、逃げ腰の方も多くいます。

一方で、
「私も血がつながっているから、一度は検査をしてみようかしら?」

と、前向きな方もいらっしゃいます。

さて、ここで問題です。
この両者のどちらが重い結果だったでしょうか?

…答えは皆さんの予想通りです。

いざ、自分の事となると、そのうち…と、先延ばしにしていると、発見が遅くなります。
特に身内に糖尿病の方がいらっしゃる場合は、ほぼ遺伝していると思っていただき、
是非年に一度はHbA1cのチェックをおすすめします。

症状が軽いうちに(HbA1c5.0~5.8%のほぼ境界型で)早めに対処すれば、
完全に正常化(HbA1c5.0以下)する方も多数いらっしゃいます。

健診内容によっては、空腹時血糖しか項目になく、HbA1cが測られていない事が
ありますので、健診する際には事前に確認されると良いですね。

どんな病気もそうですが、『早期発見』がポイントです。
必ず検査してくださいね!!

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