Kaneshiro Diabetes Clinic

糖尿病・生活習慣病の専門内科
かねしろ内科クリニック

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Kaneshiro column 院長コラム

シリーズ・ザ・生活習慣病

理事長の金城が、最近のできごとや今ホットな話題とともに、みなさまの健康にちょっと役立つ情報をお届けします。

シリーズ生活習慣病 第54弾!

「永遠の誤解 Part 1 」

かねしろ内科クリニックが開院して、6年目となります。
過去を振り返ってみると、様々なドラマがあり、
そんな中で繰り返し起こる、『永遠の誤解』と、いう名のよくある笑い話。
今回は、その一部をご紹介しましょう。

永遠の誤解 その① 「採血=必ず空腹で」

健診や人間ドックなどでは、空腹時の血糖や中性脂肪の値を調べるので、
つい、”採血は空腹でするもの”、と思われがちです。

しかし実は、糖尿病や脂質異常症の治療では、”食後の値”が大切なことが分かってきました。
色々食べてきて検査をすれば、「これって、こんなに血糖値をあげるんだ!」
「これを食べるとあがりにくいのね。」が、経験で分かるからです。

是非、食後採血をして、「今日は○○を食べて△時間後の採血だ。だからこうなんだ。」
と、御自身で分かるようになるといいですね。

特に、「空腹で来院してください。」と、言われない限り、食事をしてきて大丈夫ですよ。

永遠の誤解 その② 「朝食抜き=薬も抜き」

今度は、「空腹で来院してください。」と、医師から指示が出た場合。

糖尿病の薬の大半は、これで結構です。薬の効果が食事と関係あるからです。
食事する = 血糖値があがる → 薬で下げる ので、
食事抜き = 血糖値あがらない→ 薬要らない からです。

しかし、血圧の薬の場合は違います!
食事をしてもしなくても、血圧は薬を飲まないと上がってしまいます。
食事を抜いたとしても、いつもの時間に血圧の薬だけは飲みましょう。

その他の薬も、食事と関係なく飲むことが必要な薬がたくさんあります。
食事を抜く検査をする場合は、主治医もしくは薬剤師さんに必ず確認しましょう。

永遠の誤解 ③ 「間食はしなかったけど、○○は…」

糖尿病を持つ人は、血糖値が高く、次の食事の前でもなかなか血糖値が
下がらないことが大半です。
と、いうことは、体内のインスリンも、血糖値を下げる仕事が多くて働きっぱなし…。
間食がよくない理由はこれなのです。

それなのに、診察では、「だって、一口だけよ。」、「ガム1個だけなのに。」、
「アメをなめただけですから。」なんて会話がしばしば…。

血糖値は、その「一口」でも「ガム1個」でも、「アメ」でも上がります。
糖尿病のない方は、それに対して適切に体内からインスリンが出るので
大きな変動はないのですが、糖尿病のある人は、人によっては、
それだけで100近くも血糖値が上がることもあるのです。

これでは、血糖値を下げる時間がなくなってしまいます。
さらに、働きすぎているインスリンにますます仕事が加算されてしまうのです。

だから、「その一口でも”アウト!”」なのです。

これは、是非理解して欲しいなぁ…。

シリーズ生活習慣病 第53弾!

「労わりが大切」

すい臓には、『β(ベータ)細胞』 という、インスリンを作るところがあります。

そこが、何らかの理由で全く機能しなくなり、インスリンを注射が必要となるのが、
『1型糖尿病』です。
まだ我々の力が及ばず、完全治療が難しい病気です。

今回は、『β(ベータ)細胞』についてお話します。

本来、食事により上がった血糖に対し、必要な量のインスリンが数時間、
我々のβ細胞から出ます。

これを、『追加分泌』と、呼びます。

一方、食事をしていないときも、我々は筋肉を動かし、寝ていても心臓は内臓は自然に活動しています。
そのエネルギー源の糖を使うには、少量のインスリンがやはり必要で、
それを、『基礎分泌』と呼びます。

すなわち、β細胞は24時間、『基礎分泌』と、
朝昼夕の食事ごとの、『追加分泌』で、過酷な状況下におかれています。

10時や3時におやつをいただくと、β細胞曰く、
『また俺たち働くの?さっきインスリン出したばかりだよ。仕方ないなぁ・・・』
と、ボヤきながらお仕事をします。

1型糖尿病の方なら、間食のときにもインスリン注射が必要です。
しかし、注射をしていない方は、自らのβ細胞が頑張るしかありません。
ましてや、肥満や運動不足があると、インスリンの効きが悪くなり、
ますますインスリンの生産量を増やさないと・・・。

そうして、β細胞は過労が重なりギブアップ。
血糖値は跳ね上がり、さらに高血糖による糖毒性でβ細胞は攻撃を受けて・・・。
こうして全くインスリンが出なくなるのも時間の問題です。
食事と運動療法を守り、β細胞を労わってあげましょうね。

ちなみに、先月の11月24日で、このかねしろ内科クリニックは開院5周年!
スタッフも今まで働かせすぎたなぁ、労わってあげないと(汗;)。

シリーズ生活習慣病 第52弾!

「ノーベル賞」

『根岸英一先輩がノーベル賞を受賞!』

根岸先生は、朝倉先生と私の母校である、湘南高校の大先輩にあたります。
後輩となる我々は、なんて名誉なことでしよう!感動に鳥肌が立ちました。
「50年間の努力の結果」との言葉に頭が下がる思いです。

50年間頑張っていらした先輩もすごいですが、
24時間365日耐え忍んでいる、『血管』も労いが必要かと…。

先日、高血圧・糖尿病・高コレステロール血症をあわせ持つ52歳の男性の
『心臓の血管』を調べてみると、「ぼろぼろ」でした!
動脈硬化を起こし、途中詰まって血流が途絶えている所も…。

一方、何の病気もない80歳の男性が、狭心症を心配され調べた結果、
若くて柔らかい血管…。
運命を左右するこの違いは?!

復習ですが、

↑ これをクリアしないと、動脈硬化が進み、血管はボロボロになってしまいます。

LDL(悪玉)コレステロールが血管に残してきたコレステロールを
HDL(善玉)コレステロールが掃除してくれるのですが、HDL(善玉)
コレステロールに対してLDL(悪玉)コレステロール多いと、掃除しきれずに
血管にコレステロールが残りそれが、動脈硬化を進めるのです。

少なくても、LDL/HDL比 < 2.0 、可能なら 1.5 が望ましいです。
(これをL/H比といいます)

ちなみに私はL/H比<1.0
つまりLDL(悪玉)コレステロールより、HDL(善玉)コレステロールの方が多いです。
何十年という長い月日を積み重ね働いてくれるHDL(善玉)コレステロールと
血管のためにも、LDL(悪玉)コレステロールや血圧・血糖値を下げてゆきましょう。

それもしても根岸先輩は本当に誇りです。
金城も頑張りますよ!

シリーズ生活習慣病 第51弾!

「不眠打破」

ある研究では、「寝つきが悪い」と3倍、「途中で目が覚める」と2倍も糖尿病を発症しやすく、
また睡眠時間が多くても少なくても、脂肪が2倍付きやすいという結果が出ました。

糖尿病だけでなく、高血圧、高コレステロール、肥満、そしてうつ病…。
睡眠は、不足でも多過ぎでもダメで、およそ7時間のしっかりした睡眠がベストのようです。

「6時間で目覚めてしまう」という方。例えば高齢者は特に早起きの方が多いのですが、
生理的睡眠時間は年齢により異なり、25歳で7時間、45歳で6時間半、65歳で6時間…と、
20歳ごとに30分ずつ短くなってゆくのです。

寝つきが悪い悩みは出来れば解決したいもの。
まずは適度な運動と規則正しい生活、そして睡眠準備が大切。
頭を使わず、蛍光灯より白熱灯で明るさを落とし、モーツアルトを聴き(笑)
小説よりも写真の多い雑誌をめくり…。
睡魔がやって来たら寝室へ。

もし、30分経っても眠れなければ、一度寝床から出ましょう。
なかなか寝付けない焦りや、寝ることが出来ても浅い眠りですぐ起きてしまう…と
なることを避けるためです。

うまくいかない方はアルコールに頼らず(浅い眠りとなってしまいます)、医師と相談しましょう。

私は日ごろ、よく動き、よく頭を使うので、いつでもどこでも zzz…
原稿書いているときも…(笑)

シリーズ生活習慣病 第50弾!

「敵に塩を送る?」

最近は、『○○の塩』など、うま味のあるオシャレな塩がいくつかありますね。
ミネラル豊富で身体に良さそうな気がしますが、実は日本人は塩分の摂り過ぎ。
皆さんもうす味を目指す必要がありそうですよ。

塩分摂取量の目標は、健康な人でも1日で、男性9g未満、女性7.5g未満。
血圧が高い方は、1日6g未満です。
それに比べ、今の日本人の全国平均は1日11~12g。
地域や個人の好みによっては、1日20g以上も・・・!
こんなに塩分を摂り過ぎていれば、
血圧が高くなったり、浮腫(むくみ)が出たりするのもうなずけます。

身体に入った塩をろ過してくれる腎臓の処理能力は1日9gまで。
つまり、残りの塩は身体にたまってしまいます。
では、残りの塩はどこにいくかというと・・・?

実は、皮膚(皮下)に溜まります。
そして、汗をかくと、汗と一緒に皮膚に溜まった塩も少しずつ身体の外に出ていきます。

しかし、高温サウナは逆効果!!
一時的に汗と一緒に塩も出ますが、急に塩が出て行くので身体が危機を感じ、
そのあと塩をとったときに、いつも以上に塩を吸収します。
しかも、腎臓も塩を尿から出さないよう、溜め込むように働いてしまいます。

やはり適度な(有酸素)運動で汗をかかなければ、『塩出し』は成功しません。
血糖値や血圧を下げるためにも、食事で減塩、運動で身体からの『塩出し』に努めましょう。

「あれぇ?だって先生、運動したらスポーツ飲料で塩もとらないといけないんじゃ…?」

いえいえ。
我々がジムで軽くトレーニングしたり、走ったりするくらいでかく汗では、水ばかりが蒸発し、
血液中の塩はそれほど減りません。
塩分不足にならないのでスポーツ飲料は要りません、補給するのは、『水』だけで十分です。

どんな人がスポーツ飲料が必要かというと、
マラソンや運動選手並みの運動、暑い日の肉体労働をされている方など。
大量の汗をかいて、水も塩もしっかり身体の外に出て行くので
水も塩も補給する必要があります。
また、1日体調が悪くて何も食べられないような具合の悪い日なども。

つまり、時には必要な塩分補給ですが、それ以外に積極的にとってしまうと、
健康には逆効果。
『敵に塩をおくる』にはならないようですね(笑)。

ちなみに、塩分ゼロの生活でも、皮膚(皮下)から完全に塩分がなくなるまでには
約4ヶ月かかるそうですから…。
脂肪と一緒で、塩も減らすのは大変ですね。

さて、私もダイエットを始めて4ヶ月。
かねしろ先生のウェストは10cm減りました!

カロリーと一緒に塩分制限。
私と一緒に頑張って行きましょうね!!

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