Kaneshiro Diabetes Clinic

糖尿病・生活習慣病の専門内科
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Kaneshiro column 院長コラム

シリーズ・ザ・生活習慣病

理事長の金城が、最近のできごとや今ホットな話題とともに、みなさまの健康にちょっと役立つ情報をお届けします。

シリーズ生活習慣病 第56弾!

「永遠の誤解 Part 3」

先月、先々月に引き続き、診察で繰り広げられてきた、
『永遠の誤解』と、いう名のよくある笑い話のご紹介、Part 3です。

今回は、インスリン治療について。
”食直前に打つタイプ”のインスリンを使っている方の話です。

永遠の誤解 ⑦ 「指示通りの単位のインスリンを打つ=血糖コントロールが良くなる」

これは、一見正解にみえて、落とし穴があります。

医師から指示されるインスリンの単位は、
『食事療法がきちんと出来ている』ことを前提として、考えられたものです。

1日3食、同じような時間帯に、栄養のバランス(主食+主菜+副菜)の揃った食事をしていると想定して
「○単位」と、決めてるのです。

これならば、いつも同じように血糖値が上がるので、いつもと同じ単位量のインスリンを打つことで、
上手に血糖コントロールが出来るのです。

ですから、食事療法が乱れている場合、いつも通りに血糖値が上がるとは限りません。

指示通りの単位のインスリンを打っても、食事量が少なければ低血糖になったり、
食事量が多ければ食後の血糖値がいつもより高くなったりと、
上手に血糖コントロールが出来ないかもしれないのです。

「先生から言われた通りのインスリンを打っているのに、低血糖になったり、血糖値が300なんてあったり…、全然良くならない!!」
と、いう方の場合、まずは食生活を振り返ってみましょう。
「そういえば…。」なんて、思い当たることがあるかもしれません。

他にも血糖コントロールが乱れる原因はいくつもあります。
どうぞお気軽にご相談ください。

永遠の誤解 ⑧ 「食前の血糖値が高い=インスリン注射量を増やす」

これは危ない!!

インスリン治療をされている方は、日々御自身で血糖を測っていただき(血糖測定器)、
治療の参考にするのですが、これが返ってアダになる場合があります。

「先生、こないだね、夕食前の血糖値が200もあったのよ。」と、いうような場合。
数字を見て、ビックリする気持ちはよく分かりますが、
「だからね、血糖値を下げなくちゃ!っと思って、食事を減らして、インスリン増やしたの。」とすると、
結局、「そしたら、夜中に低血糖になっちゃって。測ったら50だって…。」なんてことも。

食事をする=血糖値が高く跳ねあがる→
それを抑えるために、その量に見合ったインスリンを打つ、のです。
つまり、目の前にある食事に対して、インスリン量を決めるのが正解です。
私はよく、『インスリンは未来に向かって打って!』と、お話しています。

例えば、食事がいつもの半分ならば、血糖値があがるのもいつもの半分、
よって打つインスリンの量もいつもの半分と、考えます。
逆に、いつもより食事量が多かった場合は、インスリンも多くする必要があるのです。

その判断の結果が良かったのかイマイチだったかを、次の食事前の血糖値を測って確認し、次回また同じような状況のときの参考にする―血糖測定ノートにメニューや反省事項のメモをする―が、基本です。

応用編として、
「今度の日曜日、ハイキングで○時間歩きます。」など、いつもより運動量が多い場合。

運動もインスリンも血糖を下げる効果があります。
いつも通りのインスリン量を注射して、たくさん運動すると、
人によっては血糖値が下がりすぎて低血糖になってしまうことも。

こういう場合は、インスリンの単位を少し減らす必要があるかもしれません。
事前に是非とも医師に相談してください。

運動は、安全に楽しく!ですね。

難しい話だけれど、
”食直前に打つタイプ”のインスリンを使っている方は、是非とも理解して欲しいなぁ…

シリーズ生活習慣病 第55弾!

「永遠の誤解 Part 2」

先月に引き続き、診察で繰り広げられてきた、
『永遠の誤解』と、いう名のよくある笑い話のご紹介、Part 2です。

永遠の誤解 その④ 「サウナ=痩せられる」

これは危ない!

「サウナに行ったら2kg痩せて…。」
とんでもないですー!!
サウナで減るのは殆どが『水分』です。
『2kg痩せた』のではなく、『2リットル分の脱水があった』ということです。

サウナで脱水を起こした某有名歌手のように、脳梗塞や心筋梗塞になりかねません。
入るなら、お水をたくさん飲みながらにしましょう。

サウナでは脂肪は数グラム落ちる程度です。
正しくは、「サウナ=(ホンの少し)痩せられる」、ですね。

永遠の誤解 その⑤ 「味噌汁をお湯で薄める=減塩」

「味噌汁は、お湯を足して薄味にしています。」
…これでは、味は薄く感じますが、結局塩分は1人前取ったことに…。

それより、具(野菜やキノコ)を多くすれば、自然と汁の量が減るので、
美味しく減塩が出来ますよ。

また、具が多いと、その素材のうま味が出るので、本当に美味しく味噌(塩分)の量を減らすことが出来ます。

美味しく続けられる減塩のコツです。

永遠の誤解 その⑥ 「病気=栄養不足」

昔、食糧難の時代は、”栄養不良”による病気が殆どでした。
主に、結核や肺炎などの”感染症”と言われる病気です。

だから、「私、”病気”なの?!じゃあ、食べて精をつけなくっちゃ!と、いう考えで正解でした。

しかし、現在の”飽食の時代”と言われる時代には、栄養の摂り過ぎ(偏り)による病気が殆どです。
糖尿病(1型糖尿病を除く)や脂質異常症など、”生活習慣病”と、言われる病気です。

よって、現代は、「私、”糖尿病なの?!じゃあ、食べ過ぎないよう気をつけなくっちゃ!」
と、考えて欲しいのです。

そして、自分は何をどのくらい食べたらよいのか、栄養士さんから説明を受けて欲しいのです。

これも、是非理解して欲しいなぁ…。

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