Kaneshiro Diabetes Clinic

糖尿病・生活習慣病の専門内科
かねしろ内科クリニック

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Kaneshiro column 院長コラム

シリーズ・ザ・生活習慣病

理事長の金城が、最近のできごとや今ホットな話題とともに、みなさまの健康にちょっと役立つ情報をお届けします。

シリーズ生活習慣病 第67弾!

「命をつなぐ水」

今年の冬はとても寒いですね。
その寒い中でも通院される患者様を、温かくお迎えすべく、
当院ではホットドリンク(もちろん0Kcalのお茶程度です!)をご用意し、
患者様にご好評いただいております。

実は、他にも意外な目的がありまして…

診察時の会話でこの時期驚くのは、患者様の水分摂取の少なさです。
「水分(水やコーヒー、お茶を含め)は、1日2リットルは飲んで欲しい。」とお話しすると、
「え?1日1リットルくらいしか飲んでいない…。」と、驚かれる方が多いのです。

糖尿病の合併症の1つに、『糖尿病腎症』があります。
長年の糖尿病のコントロールの状態などで患うもので、全員が患うものでもないのですが、
腎臓の主な働きのひとつ、『身体にある不要なもの(老廃物など)を、尿に溶かして身体から出す』
ためには、大量の水分が必要となります。
その腎臓の働きを助ける(腎臓を傷めない)ためにも、水分はしっかりととっていただきたいものです。

また、脳梗塞や心筋梗塞なども、水分摂取が少なく、脱水で血液がドロドロのときに起こりやすい
ものなので、常に身体は水分で潤っている状態にしておきたいものです。

もちろん、心臓病や腎臓病の状態によって、逆に『水分制限』が必要となる方もいらっしゃいます。
ご自分はどの状態なのか、担当医師に確認することが第一ですね。

「1日2リットル飲むためには、”1時間にコップ1杯分”をちょこちょこ口にしてください。」
と、お願いしている以上、
「だって、ここには水がない。」
と、言わせないため(笑!?)待合室に温水と冷水が出る機械を設置しました。

寒い日に、温かい飲み物で、心も身体も潤ってくださいね。

シリーズ生活習慣病 第66弾!

「インスリンと養子」

前回のインスリンの話題はものすごい反響で、『自分で注射をしたい』という
患者さんが後を絶ちませんでした。
今までどんなに熱心にすすめても、『はい』と言わなかった患者さんでも、
嬉々としてインスリンの打ち方を習う姿には、やや複雑な気持ち…。

とはいえ、当然のことですが、皆さん血糖値は改善し、スタッフと手を取り合い
喜んでいらっしゃいます。

しかし、世の中には理不尽な落とし穴が…。
金城先生がいつも怒りをあらわにする事件簿がいつくかあります。

「インスリンと判り、面接で落とされました。」

低血糖をおこすと大惨事になる飛行機のパイロットならまだしも、
一般的な労働は全く問題無いことは、これを読んでくださる方なら
すぐ御理解いただけるはず。差別もいいところですよね!

ましてや糖尿病の方が就職出来ない世の中にでもなれば、
日本の労働者の2割は失業します。

「インスリンの方は無理、と言われ、親が施設に入居出来ず…。」

急性アレルギーショックから命を救う、[エピペン]という携帯用注射は、その場にいる人が
誰でも打つことが出来る、いわば[AED]同様に医療行為にあたりません。
それなのに、インスリンは医療行為のため、介護スタッフは注射出来ないからと、
本当はインスリン注射が必要なのに、入居したいために飲み薬だけで治療を続けて
高血糖が続いている…考えられない悪法です!

去年の9月、サンフランシスコ郊外の公園に「親子の人種が違う」家族の写真が新聞に。
国際養子のNPOでめぐり合った、ニコニコ顔の親子の姿…。
とても感動致しました。

養子という選択肢がごく普通に語られる日が来ることを願いつつ、
「ああ、インスリンの人ね。別に問題ないですよ。」という言葉が
ごく普通である日が来ることも、願わずにいられません。

今年も頑張って行きましょうね。

シリーズ生活習慣病 第65弾!

「炭火焼き」

先日、診察時に患者さんから唐突に
「先生、インスリン(注射)にするよ!」と、宣言が。

『某テレビの放送を見たのだな』と、スタッフに目配せするとニヤリ。
伺うと、その方はテレビを見て『1ヶ月間インスリンを打てば糖尿病は治る!』と、
思い込んでいらっしゃいました。

インスリンは血糖値を下げるホルモンで、体内では
膵(すい)臓のβ(ベータ)細胞というところで作っています。

糖尿病(2型)が発症すると、血糖値が高くなりますが、
実は、そのβ(ベータ)細胞の半分近くが、高血糖という攻撃によるダメージを受け、
働きが悪くなってしまっているからなのです。

早いうちにインスリン治療をすれば、速やかにかつ確実に血糖値が下がるので、
β(ベータ)細胞への攻撃は減り(もしくはなくなり)、ダメージから回復します。

また、体外からインスリンを補充しているので、体内のインスリンを作るβ(ベータ)細胞が
休憩をとることが出来ます。よって、しばらくすると、体内でのインスリンが昔のように出始めて
自力で血糖値を下げられる→インスリン治療を卒業!
・・・という理論です。

もし私が糖尿病発症となったら、迷わずインスリン治療を行うでしょう。

『先生、だったらさっさとインスリンを・・・』と、恨み節の入りつつあるなか
インスリン治療についてアレコレ説明すると、「・・・面倒だねぇ」。

インスリン治療、やはり人気がありませんね。
患者さんからインスリン治療についての意見を伺うと、よく出るものが…

①イメージが悪い (糖尿病がヒドイ人みたいに感じる!?←いやそうならないためのもの…)
②針が怖い (採血の針のような太い針だと思っていた?実際は縫い針より細くて痛くないぞ)
③お金がかかる (コレは事実です。でもこれで糖尿病がよくなれば、むしろ先々は安くなるかも…)
④打ち始めたらやめられない (それは導入時期が遅すぎるため!早く始めればやめられます!)
⑤面倒くさい (薬を飲むのは一瞬だが、注射は手技が色々とある。←それはそうかも…)

…などと、様々な意見をいただきます。

一部、それは誤解ですよと、(  )で突っ込みを入れてしまいましたが、
なかなか受入れていただけないのもうなずけます。
とはいえ、治療としては最高のお薬というのは間違いありません。

ただし、『1ヶ月で』急激に血糖値を下げることは危険です。

1ヶ月で、HbA1c(ヘモグロビン・エー・ワン・シー=1~2ヶ月の血糖の平均値)を、
早くても1.0%未満の改善で治療をすすめていかないと、血管に無理がかかり、
特に眼の血管が出血(眼底出血)してしまうこともあります。

何事も、『 ゆっくり ・ しっかり ・ 確実に 』が基本です。

最近、我が家の庭で炭火焼きをよくします。
炭に火が入るのはゆっくりで時間がかかりますが、一度火がつけば、
しっかりと確実に燃え続け、それを見るのはなかなか素敵です。

糖尿病の治療のようですね。

シリーズ生活習慣病 第64弾!

「サラダが消えた?」

「先生っ、緊急です!」

スタッフの声に急いで電話を代わると、
『あ…先生、○○です。30分前から胸が押し付けられるような状態が…』
と、聞きなれた患者さんの声。

間違いなく狭心症、手遅れになると心筋梗塞…

「昼間だからどの病院も大丈夫、すぐに救急車を!病院に着いたら、
そこの先生に、金城へ連絡してくださいと伝えてね!」

彼女の糖尿病は境界型ですが、若い頃は高血圧と高コレステロールを放置。
ここ数年の通院でやっと薬がマッチして良い数値になってきた、
10年来の飲み仲間でもある患者さん。

運ばれる病院宛に、診療情報のFAXをしたためていると、ほどなくコールバック。
ええ!?なんと本人から!?

『治まったから、まだ救急車呼んでないんだけど…』

んもう!バカモノー!!と、怒鳴りたくなるくらいの焦りを抑え、
救急車を呼びたくない気持ちを理解しつつも説得し、心臓の専門医の一人に緊急連絡。
さすが、いつも御信頼申し上げている先生だけあって、二つ返事でスタンバイ。
一刻も早く私を安心させたかったのか、まさかの速さでその先生からメールでの第一報が…

”心臓の一番大事な血管が、動脈硬化で50%詰まっていました。”
心筋梗塞をおこさなかったのが、不幸中の幸いでした。

その夜、入院中の彼女を除く、いつもの飲み仲間が集まり、
以前彼女自らが葡萄を搾ったというワインを開け、無事を祈りました。

翌日退院した本人に伝えると、
『そういえば、あの先生も金城先生の飲み仲間だとか言って(笑)』

糖尿病は境界型と軽くても、高血圧、高コレステロールなどの病気が重なると、
思わぬ大病を招くことがあるのです。
やはり日頃から食事や運動に気を配り、健康的な生活をするのが一番ですね。

そう思って、ランチに野菜サラダを買いにいくと、
ない!サラダがない!!もう売切れたぁ!!

世の中の皆さん、やはり野菜は健康の第一歩ですよね、お見事です。
じゃあ、プチトマトでも買うかな…。
スタッフの分も買うと喜ぶだろうな。

シリーズ生活習慣病 第63弾!

「北海道」

やっと涼しくなりましたね。

今年の夏は、『節電で暑い日射しにじっと耐え』。
我が家では、8月の電気使用量が、前年比の53%に!かなり優秀!!
窓を開け、網戸に蚊や虫が来ないよう、蚊取り線香を焚き、
クーラーをやめて扇風機と扇子に頑張ってもらい、机の上にはクーラーポットの冷たいお茶。
意外に子供の頃の生活が懐かしくもあり、慣れれば耐えられるもんだなぁと、
汗して勉強していた頃を思い出しました。

などと言いつつも、夏休みに家族で北海道へ旅行に出掛けると…

こちらと比べて気温が10℃以上も差があり、
なんと過ごしやすい気候かと、堪能致しました。

気候も大事ですが、食生活や運動も大事な要素。

昔はこんなに食事が安くて豊富ではなかったし、車などの交通手段も発達していなかったため、
低カロリー&高運動量の健康的な食生活でした(高塩分というのは残念なのですが)。

今はその逆、高カロリー&低運動量。
高度経済成長から肉食が増え、脂肪摂取量が増え、歩く機会は少なくなり…。

などと思っていたら、最近では牛肉が売れなくなり(私は気にせず食べてます)、
畜産農家には誠にお気の毒なニュースがもう一つ。

『男性は、魚をよく食べる方が糖尿病になりにくい』
と、いう疫学調査が発表され、益々と…。

いやいや実際には偏った食生活はいけません。
お肉も大事な、良質たんぱく・ビタミン・鉄分の源。それぞれの食材にはそれぞれの食べる理由があるのです。
「あれは良い」、「あれは悪い」と、情報に惑わされることなく、カロリーと塩分を控えめにし、
栄養のバランス良く、食事をいただきましょう。

そういえば、北海道ではいっぱいお魚と野菜、じゃが芋をいただきました。
これからしばらくは、お肉三昧で(笑)

真似してはいけません…。

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