Kaneshiro Diabetes Clinic

糖尿病・生活習慣病の専門内科
かねしろ内科クリニック

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Kaneshiro column 院長コラム

シリーズ・ザ・生活習慣病

理事長の金城が、最近のできごとや今ホットな話題とともに、みなさまの健康にちょっと役立つ情報をお届けします。

シリーズ生活習慣病 第22弾!

忍び寄る恐怖のノ糖尿病合併症

昨年度を振り返りますと、われわれスタッフの熱意が多くの患者さまに伝わったのか(?)
糖尿病患者さまで合併症を起こしてしまった方が非常に少ない、有意義な1年間でした。

しかし、中には突然、『眼底出血』が発見された方もいらっしゃいます。

そこで今回のテーマは、「眼科に行こう!」です。

初めて外来を受診される患者さまには、

1.糖尿病教室
2.管理栄養士・健康運動指導士による食事と運動のお話
3.眼科受診のすすめ、紹介、

を、行っておりますが、この3が一番大事なスタートになります。

眼底の状態が、0~A1(単純型の出血)までであれば、とにかく血糖値を良くしていきますが、
B1(増殖型の眼底出血)以上であれば、かなり慎重に糖尿病のコントロールをしなければ
いけません。

この方針を立てるには、眼底所見が不可欠なのです。

ところが、外来通院に慣れてくると、眼科受診を御無沙汰してしまう方が多数いらっしゃいます。
これは自覚症状が無いためで、「忍び寄る恐怖の出血」は、症状が出てからでは手遅れであることを
つい忘れてしまうのでしょう。

(糖尿病による)動脈硬化が進むHbA1c5.5%以上、ましてや6.5%以上の高度に
合併症が起こるレベルの方は、必ず定期的な眼科受診が必要なのです。

当院では、『糖尿病手帳』のほかに、『糖尿病眼手帳』と、いうのをお渡ししています。
これは、この両方の手帳を介して、眼科医⇔糖尿病医の連携がスムーズにかつ、
的確に行えるための、大切なアイテムなのです。

眼科受診の際、これらの手帳を眼科医に渡してもらい、所見を記入していただき、
また糖尿病医のところでみせていただく・・・。
これが、糖尿病患者様の眼を守るために大切なのです。

そういえば、私も眼科受診は御無沙汰だなぁと、思った方!
近いうちにでも是非眼科に行きましょうね。
そのときは、『糖尿病手帳』と、『糖尿病眼手帳』をお忘れなく・・・。

では、行ってらっしゃ~い!!

シリーズ生活習慣病 第21弾!

薬についてよく話し合いましょう

検査のために食事をとらずに来た方が、薬も飲まずに来院されたことがありました。
理由を尋ねたところ、

「だって、『食後』って書いてあるから・・・。」

うむむ・・・。
確かに。

糖尿病の一部の薬のように、食事を抜いたときには薬も抜いて良いものがあるのですが、
実は、食事をした・しないに関係なく、飲んでいただきたいものもあるのです。

例えば、血圧の薬。
毎日薬を飲み続けることで、一定濃度の薬の成分が、ずっと身体の中に保たれます。
そうすることで、放っておけば高いままの血圧が、1日中ある程度まで下がり、
その状態を保つ効果が発揮されるのです。

『食後』または、『食前』、『食直前』・・・などと書いてあれば、
薬と食事が関係すると考えるのは至極ごもっともですが、
薬の成分の効果よりも、飲み忘れを防ぐ効果を狙ったものがありますので、
皆さんが飲んでいる薬が、食事に関係なく飲んで良いものなのかどうか、
一度医師や薬剤師に確認してくださいね。

もうひとつ。

「風邪薬を飲むから、(飲み合わせが)心配で、他のお薬は飲みませんでした。」

これもよくあるパターンです。

実は、風邪のときは、いつもより血糖値は上昇します(これを”シック・ディ”といいます)。
糖尿病の状態やお薬にもよりますが、風邪をひいても、いつもの半分以上の食事がとれるのなら、
しっかりお薬を飲んでいただきたいものです。

でも、こういう風に、『自分の身体の状態がこうだから、この薬がこう働いて効いてくれる・・・』
なんて会話をしていなければ、正しい判断はつきにくいですよね!

日頃から、主治医や医療スタッフ(薬局の薬剤師さんも!)と、
ちょっとした事でも気軽に聞けるような、フランクな付き合いをしていて欲しいものです。

ちなみに、私は患者さんに、「判らない時はいつでも電話を下さい」と、
携帯の電話番号をお知らせしてあります。
(でも、皆さん遠慮しているのか、あんまりかかって来ませんね・・・。)

シリーズ生活習慣病 第20弾!

油断大敵

数多くの糖尿病患者さんを診察していると、年に数人くらいは残念ながら合併症が起きてしまうもの。
昨年もHbA1cが5.9%という、まずまずのコントロールの方が脳梗塞を…。

もちろん今は後遺症もなく、元気でいらっしゃいますが、肥満と脂質異常症(以前の高脂血症)があり、高血圧気味だったので、「いつかアクシデントが起きますヨ!」と、言っていた矢先の出来事でした。

御本人は、「ちゃんと先生の言うことを聞いておけばよかった」と、反省していましたが、そこまで導けなかった我々スタッフも一緒に反省し、これをバネに益々気合を入れて毎日頑張っております。

では復習です。
糖尿病の治療の目標は?

答えはこうです。

これを目標に、少しずつ生活習慣を見直し、場合によってはお薬とも上手に付き合いながら
この関門を突破していただきたいと思います。
第4関門まで到達するのは稀ですが、第3関門まで到達出来ればまずは一安心といったところです。
もちろんその他の検査数値も良くしていくことも大事ですね。

そのためには、医師や看護師、栄養士などと対話して、
食事や運動・薬などの注意ポイント、または、食や身体にまつわる四方山話などに耳を傾け、
御自身の身体や健康に興味を持ちながら実践し、
ときにはスタッフに愚痴をこぼしたり・・・雑談を交わしたり・・・

このように、患者さんと医療スタッフが一緒になって糖尿病と向き合うことが大切ですよね!

そして、この病気は、油断すると再び襲ってきやすいのです。
HbA1c5.0%になって卒業しても、定期的に検査をしていないと、
数年後にHbA1cが高値になって、または合併症が起こってしまい、(病院に)戻ってきちゃった!
なんてことも有り得る話です。

『油断大敵』

皆さん、一緒に肝に銘じましょうね。

シリーズ生活習慣病 第19弾!

妊娠と糖尿病

妊娠・出産は女性にとって大変ハードな状況・・・
だからこそ、「お腹を痛めて産んだ我が子」は、この上なく可愛いのです。
無事に元気に産まれてきて欲しいものです。

そこで、どうしたら安全に妊娠・出産できるか簡単にお話ししましょう。
妊娠自体、母体の危険や奇形のリスクがありますが、
糖尿病が悪いとこのリスクがさらに高くなります。

そこで・・・

(1)糖尿病治療中の方

・出来るだけHbA1c(糖尿病の指標となる検査)を下げてください。

・妊娠前に医師に相談し、許可が出てから、計画的に妊娠されたほうが安全です。

・妊娠中は、場合によっては胎児の安全のために、インスリン治療となります。
(インスリン治療は、飲み薬と違い、薬の成分が胎盤を通過しないので、胎児に影響のない安全な治療法なのです。)

・HbA1cが高い状態で妊娠した場合、我々は非常に悩みます。
ナイーブな内容ですので、個々に相談いたします。

(2)肥満がある、または身内に糖尿病をもつ人がいる方

・妊娠中に糖尿病を発症したり、すでに境界型~完全に糖尿病を発症してる場合があります。

・随時血糖値が95mg/dl以上、またはHbA1cが5.0%を超えている場合は、必ず専門医とご相談ください。

・また、貧血があるとHbA1cは低目に数値が出てしまいますので、貧血についての精密検査が必要です。

いずれにせよ、赤ちゃんもお母さんも命がけの大仕事。
妊娠前から健康チェックを行い、万全の体制で元気な赤ちゃんを産みましょう!
我々も応援いたします!!

シリーズ生活習慣病 第18弾!

大きく変わる?基本健康診査

基本健康診査(市の健診)が、今年の4月から大きく変わります。

どうやら、『生活習慣病を徹底的に予防する』方向のようです。
その内容を、ものすごーく簡単にまとめてみます。

「今までの健診の基準とかなり違うのでは?」と、思われるかもしれません。
確かに混乱されると予想しますが、生活習慣病になる方がどんどん増えている現在、
なんとか水際でも食い止めようと、国が真剣に取り組みだしたということです。

ところで、
「この基準って、いつもかねしろ先生が言っている数値に近いのでは・・・?」
と、お気づきの方!大正解です!!

例えば、HbA1cは5.5%以上で動脈硬化は進みますし、5.0~5.4%でも糖負荷試験をすると、
殆どの方は糖代謝異常が見付かります。そういう意味で5.2%以上に設定されたのは、
実際的かつ画期的なことかと思います。

健診の基準値がどう変わろうと、皆さんが、『健康で長生きし、より良い人生を送ることが
できる』。これがかねしろ内科クリニックの願いなのです。

該当した人は、積極的に健康的な生活習慣を取り入れて、数値改善しましょうね。

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