Kaneshiro Diabetes Clinic

糖尿病・生活習慣病の専門内科
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Kaneshiro column 院長コラム

シリーズ・ザ・生活習慣病

理事長の金城が、最近のできごとや今ホットな話題とともに、みなさまの健康にちょっと役立つ情報をお届けします。

シリーズ生活習慣病 第07弾!

「先生、新聞にすごく厳しい基準が載っていたけど、本当?」と、ある日患者さんに質問されました。
これは、「糖尿病に代表される生活習慣病をいろいろ合併していると、心筋梗塞や脳梗塞を起こしやすいので、もっと基準を厳しくして実験してみましょう」という、全国3000人を対象とする、J-DOIT(ジェイードゥーイット)3という臨床実験です。

どのくらい厳しいかは下記表にまとめてあります。

(1)体形と(2)HbA1cはよいとしても、(3)血圧と(4)中性脂肪、そして、特に(5)LDLは最高レベルに厳しいですね。
でも私はこのJ-DOIT3くらいに下げる事は大賛成です。

さらに言えば、(2)HbA1cは5.5%未満までに下げると動脈硬化は進まないと言われていますので、
皆さんも平穏無事に生活するために、健診の結果をもう一度見直して、J-DOIT3以上でしたら、専門医に相談しましょう。

シリーズ生活習慣病 第06弾!

最近話題のメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)。簡単に説明すると、肥満があり、
ウエストが男性85cm、女性90cm以上の人で、高血糖・高血圧・高脂血症のうち1つある人を
その予備軍(1020万人)、2つ以上ある人を有病者(940万人)とし、いずれ心筋梗塞や
脳梗塞を起こしやすいですよ、というお話。
ここで割り算の問題。40歳以上の成人は5700万人、すると・・・えっ!
3人に1人が予備軍以上の指導対象者!?
また女性のウエストが90cm→73cm~77cmくらいに変更になる可能性が出てきましたので、
さらに対象者が増える事は必至です。「皆がそうなら、まぁいいか」という考え方、甘いです。
必ず将来大変なことになります。そこに至るまでに症状が出ないのがこの生活習慣病の怖い所です。
このコラムをお読みになって当院の管理栄養士・糖尿病療養指導士・健康運動指導士・看護師
及び受付と私の指導を受けられた方々から「このまま放置していたら恐ろしかった」と感謝されると
スタッフ一同、医療従事者冥利につきます。一緒に頑張って治しましょう。ちなみに当院スタッフは
12名おりますので、あっ・・・本当ですね、3人に1人!

シリーズ生活習慣病 第05弾!

これまでお話ししてきた事を受けて、来院された患者さんの多くが血圧が高かったのに放置していた、
という状況でした。そこで、今回のテーマはズバリ「血圧はいくつにすればよいの?」 です。
外来にいらして測るとなぜかいつもより高い(白衣性高血圧)方、逆に家では高いのに病院では低く
出てしまう(逆白衣性高血圧)という方、さまざまです。実は外来での血圧はあくまで参考値、大切なのは家庭での血圧測定です。指や手首で測るタイプではなく、腕に巻くタイプを購入してみてください。

そして、重要なのは朝起きてすぐと寝る直前です。日常生活の中で、我々の血圧は大変上下しています。
昼間傷ついた血管は、夜中睡眠中に修復されます。寝る前や早朝の血圧が高いと動脈硬化が進み、いつか心筋梗塞や脳梗塞を起こします。そこで特に糖尿病のある方は130/80mmHg未満、尿タンパクが出ているような腎臓機能障害のある方125/75mmHg未満を目指さなければいけません。
けっこう厳しい!ですが守らないと将来必ずアクシデントが起こります。ちなみに成人の4人に1人が高血圧症です。減塩、減量、運動を頑張りましょう。

シリーズ生活習慣病 第04弾!

界型糖尿病(HbA1cが5.0~5.8%位)の可能性のある方は安心せず精密検査を受けましょう、と前回書いたところ
「心配になってきた」「うちの主人の結果が・・・」と多くの患者さんの声をいただきました。
そこで、シリーズで生活習慣病について連載したいと思います。

今回は皆さん聞き慣れてはいるけど、よく判らないコレステロールについてです。
実は よく言うコレステロールとは総コレステロール(TC)の事で、簡単に説明すると「全ての脂質の合計」、つまり、あまり意味がありません。現在は悪玉(LDL)・善玉(HDL)コレステロール、そして中性脂肪と(TG)と、この3者それぞれの値が重要です。といっても健診では、TC、HDL、TGのみ。肝心の悪玉LDLコレステロールが出ていない事があります。そこで、今から下の計算式を参考に一度出してみましょう。
LDLは病気の合併により正常値が変わりますが、低いほど動脈硬化を起こしにくいのです。
ちなみに糖尿病があやしい方はLDL120mg/dL未満を目指しましょう。

シリーズ生活習慣病 第03弾!

前回お話した糖尿病になりかけの、「境界型糖尿病」の方が非常に多いという内容を読まれ、心配された方々が数多く来院されましたが、例外なく皆さん境界型でした。すでに完全に糖尿病になっている方もいらっしゃいました。

「ホームページを読んでよかった」とおっしゃっていただき嬉しさ半分、まだまだ隠れ糖尿病の方が多くいらっしゃるのだろうと心配いたしました。
中には「境界型ならまだOKでしょ?」と思われている方が多いですが、ダメです。いきなり断言してしまいましたが、日本人の偉大な研究である久山町スタディーによれば、正常な人に比べ、境界型で2倍も(完全な糖尿病で3倍)心筋梗塞などを引き起こす危険があることがわかっています。
このような場合、糖負荷試験(75gOGTT)というものを行い、血中インスリン濃度を分析し、治療方針、作戦を練ります。

何をかくそう、ウチの職員にもHbA1cが5%を「知らぬ間に」越えているスタッフがおり、今必死に食事・運動療法をやっています。皆さんも怖がらず、一度専門家に見てもらいましょう。
ちなみに今(境界型)ならきちんとがんばれば、よくなるケースがほとんどです。

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